2024年08月20日
仮想マシンモニタBitVisor、Version 3.0をリリース
オープンソースの仮想マシンモニタBitVisorの最新版であるVersion 3.0を2024年8月20日にリリースしました。BitVisor(*1) は、セキュリティ対策を主たる目的として開発された仮想マシンモニタです。 弊社では、BitVisorをベースに、弊社の独自技術により、大規模PC環境向けOS配信管理ソリューションとしてvThrii Seamless Provisioning(ブイスリーシームレス プロビジョニング)を2015年に製品化しました。本製品の運用に伴い、新しいネットワークインターフェイスコントローラーへの対応や、コア数が多いプロセッサへの対応といった改良を行い、BitVisorに取り込んできました。
Version 3.0には、そのように製品に使用されている改良だけでなく、将来の応用を見据え、多くの機能が追加されました。そのひとつが、新たにAArch64アーキテクチャーに対応したことです。現在AArch64のエミュレーション環境を対象としていますが、実際のAArch64プロセッサ環境での動作を目指す際土台となるものです。AArch64対応のため、既存のアーキテクチャー依存のソースコードが分離・整理されました。そのほか、SQLite、WireGuardやTLS対応など、いくつかの外部のプロジェクトを新たにソースコードに取り込みました。これらは、ビルド時に必要なものを選択して組み込むことができます。詳しくはリリースノートをご覧ください。
(*1)
BitVisorは、政府が進める情報セキュリティ対策「セキュア・ジャパン」の中で構想され、筑波大学を中心としたセキュアVMプロジェクトにおいて、一から開発が進められました。また、その成果を受け継ぎ、科学技術振興機構(略称JST)の競争的資金である研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)の支援を受け、東京大学情報基盤センター 品川 高廣 研究室、筑波大学システム情報系 加藤 和彦 研究室、イーゲルにより事業化に向けた研究開発が行われてきました。実環境で実際に利用することができる大学発の研究開発成果として、今後も研究開発及びその成果の活用を継続します。
BitVisorは、株式会社イーゲルの登録商標です。